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スタートアップ企業が心臓病治療のためiPS細胞から心臓細胞シートを製造する認可を申請へ

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Yomiuri Shimbun file photo
iPS細胞から作られた心筋細胞シートが4月、大阪府吹田市で公開された。

大阪大学発のスタートアップ企業は、人工多能性幹(iPS細胞)から作った心筋細胞シートの商業販売認可を近く申請する予定だという。

クオリプス(東京)は、心筋梗塞などの患者の心臓に移植するシートの製造・販売の許可を6月にも厚生労働省に申請する。

iPS細胞を使った再生医療製品の実用化はおそらく初めて。今後、iPS細胞を使った医療製品が病院で積極的に使われるようになるかもしれない。

このシートは、心臓発作などにより心筋が弱くなる虚血性心疾患の患者の治療に使われることが期待されている。

症状が重篤化すると心臓移植が必要になるが、心臓の提供者が少なく、心臓移植は患者の体にも大きな負担がかかる。


The Yomiuri Shimbun

クオリプスの最高技術責任者も務める大阪大学特別教授の澤芳樹氏らの研究チームは、ヒトのiPS細胞から心筋細胞を作製し、シート状に加工した。

2020年1月から23年3月まで、虚血性心疾患の患者計8人を対象に臨床試験を実施。患者1人当たり約1億個の細胞シートを心臓に移植した。

澤氏と研究チームは、8人の患者に対して治療が安全であることが確認され、全員が通常の生活に戻ることができたと述べた。

同社は、臨床試験の規模は小さくても効果などが見込めれば、一定期間、一定の条件で製造を認可される制度も活用し、25年の認可取得を目指す。

iPS細胞を使った医薬品の開発競争は世界的に激しさを増している。

日本でも住友製薬(大阪市)がiPS細胞から作った神経細胞をパーキンソン病患者に投与する薬の承認を24年度にも申請するなど、実用化に向けた研究が急ピッチで進んでいる。



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