ホーム Fuji スタチン開発の貢献者、遠藤章氏が90歳で死去。ノーベル賞候補にも挙がっていた

スタチン開発の貢献者、遠藤章氏が90歳で死去。ノーベル賞候補にも挙がっていた

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Yomiuri Shimbun file photo
2017年の遠藤彬

東京(時事通信)―コレステロール値を下げる画期的な薬「スタチン」の開発に貢献した東京農工大学特別栄誉教授の遠藤明氏が水曜日、病気のため東京都内で死去した。90歳。

遠藤氏はアオカビ由来のコレステロールの合成を阻害する物質を発見した。

遠藤さんは1957年、東北大学を卒業し、第一三共の前身である大手製薬メーカー三共に入社。1966年から2年間、高コレステロールによる心臓発作が死因の上位にあった米国に留学した。

帰国後、遠藤氏は、食事から摂取するコレステロールの量を減らすよりも、肝臓でのコレステロール合成を抑制する方が効果的だという結論に達した。

約6千種類のカビやキノコの成分を2年かけて調べ、1973年に京都府の米穀店で採取したアオカビから合成阻害剤「コンパクチン」を発見した。

1987年、一時三共と協力関係にあった米国のメルク社が、スタチンの一種を使った薬を初めて発売した。

その後も三共などから同様の薬が発売され、心臓発作や脳卒中の予防や治療に大きく貢献した。

遠藤氏は東京農工大学で1986年から1997年まで教授を務め、2008年に特別名誉教授となった。

2006年の日本国際賞、2008年の米国ラスカー・ドバキー臨床医学研究賞、2011年の文化功労者、2017年のカナダ・ガードナー国際賞など、国内外で数々の賞を受賞。ノーベル賞候補にも挙げられている。



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