シンガポール航空、激しい乱気流に見舞われたフライトの乗客に補償を提供

シンガポール航空は先月、激しい乱気流に遭遇し数十人が負傷、１人が死亡した飛行機に乗っていた乗客に対し、補償の申し出をしたと火曜日に発表した。

同航空会社は、軽傷を負った乗客には1万ドルの補償金が提示されており、重傷を負った乗客には個々のニーズに合わせた補償金について協議できると述べた。

「重傷を負い、長期の治療が必要と診断され、経済的援助を希望する乗客には、当面のニーズに対応するため2万5000ドルの前払い金が提供される」と同社は付け加えた。これは最終的な和解の一部となる。

ロンドン発シンガポール行きのSQ321便がミャンマー上空を飛行中に、航空会社が言うところの突然の激しい乱気流に遭遇し、73歳の乗客が心臓発作の疑いで死亡、数十人が負傷した。同便は目的地を変更し、タイのバンコクに着陸した。

乗客によると、乗務員とシートベルトを着用していなかった乗客は床や座席から降りて客室の天井に激突し、天井がところどころ割れたという。乗客を治療していたバンコクの病院は、脊髄、脳、頭蓋骨に損傷があったと述べた。

同社によれば、5月20日のフライトから2週間以上が経過した6月4日時点で、20人の乗客がまだバンコクの病院で治療を受けているという。同社は最新の数字についての問い合わせにすぐには応じなかった。

シンガポール航空は、同便に搭乗していた全乗客の航空運賃を払い戻すとともに、欧州連合（EU）や英国の規制に従って遅延補償金を支払うと発表した。

シンガポール運輸省の予備報告によると、重力の急激な変化と高度54メートル（177フィート）の低下により、乗客と乗員が空中に浮かんだ可能性が高いという。

同航空は、同機が「発達中の対流活動」、つまり悪天候が進行している地域の上空を飛行していた可能性が高いとしている。

この飛行機には、オーストラリア人、イギリス人、シンガポール人を含む乗客211人と乗務員18人が搭乗していた。

この事件によりシートベルトの着用慣行が注目を浴びた。航空会社は通常、通常の巡航状態では乗客にシートベルトを外すことを許可しているが、着用したままにすることを推奨している。