ホーム Fuji サソの全米女子オープン優勝:メジャー2度目の優勝が強さを証明

サソの全米女子オープン優勝:メジャー2度目の優勝が強さを証明

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プロゴルファーの笹生優花選手は、ライバルたちが次々と失速する難コースを制覇し、圧倒的な強さを見せつけた。日本人初の海外メジャー大会2度制覇という快挙に拍手を送りたい。

笹生選手は2021年以来2度目となる全米女子オープン優勝を果たした。最終日を5位からスタートした笹生選手は、大会首位と3打差だったが、5つのバーディーを決めて4アンダーで逆転優勝を果たした。

メジャー大会特有の難しいコース設定で、上位陣のスコアはバラバラとなったが、笹生選手は得意の飛距離と巧みなショットで粘り強くプレーし、チャンスを確実にものにした。

スポーツの世界では、初優勝よりも2度目の優勝の方が難しいと言われている。優勝することの難しさを知っている選手は、ライバルから狙われる立場にあるからだろう。今回の優勝は、笹生選手の実力を証明したと言えるだろう。

日本人の父とフィリピン人の母を持つ笹生選手は、8歳でゴルフを始めた。コーチを務める父と密接に協力しながら、笹生選手は世界の舞台で戦えるよう厳しいトレーニングに励んだ。トレーニング中は両足にウエイトをつけて下半身を鍛えた。

笹生選手は、全米オープンで史上最年少タイの19歳11カ月で初優勝した時、二重国籍だった。その後すぐに、東京オリンピックでフィリピン代表として出場したが、その後、日本国籍のみを取得することを選択した。

笹生選手は今回の優勝後、「2021年に優勝して母に恩返しができた気がします。今回は父へのご褒美。両親にも同じように恩返しができて嬉しいです」と語った。両親は、このような素晴らしい贈り物をもらって、特に喜んでいるに違いない。

今大会では日本選手の活躍が目覚ましく、トップ10に5人もの日本選手が入ったことは注目に値する。

特に印象的だったのは、2位に入った渋野日向子の復活だ。2019年の全英女子オープンで優勝したものの、近年は不振でメジャー大会の予選を突破できないことが続いていた。それだけに、今回の活躍は今後が期待できるものだった。

日本女子プロゴルフ界では若手選手の躍進が目覚ましい。1998年度生まれの「黄金世代」と、その後に生まれた「プラチナ世代」「新世紀世代」の選手たちがしのぎを削っている。

日本や米国で活躍した宮里藍選手に憧れてゴルフを始めた人も多い。日本女子プロゴルフ協会は、世界で戦える選手を育成するため、4日間のトーナメントを増やすなどの改革を進めている。

今後、海外のメジャー大会で日本人選手が優勝を争う姿も珍しくなくなるかもしれない。そうなれば、日本の女子ゴルフ界はますます注目されることになるだろう。協会にはファンサービスの充実や競技の裾野拡大に一層力を入れてほしい。

(読売新聞2024年6月4日号より)



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