日曜から大相撲九州場所で十両二段にデビューする予定の将来有望なウクライナ人力士、青錦は、母国で戦争から逃れてきたときに助けてくれた「日本の家族」のために戦うと語る。
本名ダニーロ・ヤブフシシンという20歳の彼は、2022年2月のロシア侵攻を受けてウクライナを出国し、まずドイツに避難してから日本へ向かい、そこで相撲を通じて人脈を築いた。
西日本の堺で開催された2019年世界ジュニア相撲選手権大会に出場中、彼は年上の力士である山中新と友人になり、ソーシャルメディアを通じて連絡を取り続けた。
山中は将来の青錦から相撲について頻繁に質問を受け、青錦がスポーツ界で活躍できるよう手助けすることを決意した。
2022年6月、大阪府堺市で山中新と並んでポーズをとるウクライナ人力士の青錦(左)(写真提供:山中新)(共同通信)
山中さんは「力士になるという夢をかなえるために、できる限り応援したいと思った」と語った。
2022年3月、山中のもとに思いがけない依頼が舞い込んだ。 「日本に避難してもいいですか?」 1か月後、当時18歳の難民がスーツケースを持って到着した。
彼は神戸にある山中の実家で寝食を共にし、新しい日本人の「兄」が主将を務める関西大学相撲部で猛練習を積んだ。
「直接会ったのは一度だけで、日本語が一言も話せなかったにもかかわらず、歓迎してくれました」と青錦さんは語った。 「OKが出たのでびっくりしました。逆だったら断っていたと思います」。
大相撲九州場所に向けて準備する新十両力士の青錦(左)=福岡県久留米市の安治川部屋の本拠地で2024年10月31日(共同通信)
青錦は昨年の大相撲秋場所でデビューし、わずか7戦目で十両に昇進するまでに急成長した。現在、関西大学相撲部の監督を務める山中氏への感謝の気持ちを込めて、フルリングネーム「青錦新」を冠した。
「今は一緒に戦っているような気がする」と25歳の山中は語った。
青錦は、九州場所で初めてエリート幕内部門にステップアップする獅子に続き、十両に昇進した2人目のウクライナ人力士となる。
青錦さんは「新のおかげで日本に来て、たくさんの人に会うことができた」と語った。 「もし彼に出会っていなかったら、今の私はなかったでしょう。」
関連報道: