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ウクライナの元軍医が横浜病院でリハビリを受け、日本で傷ついた心を癒す

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日本ニュース写真
上:イゴール・ホロディロ選手が木曜日に横浜の病院でリハビリを受けている。
下:イゴール・コロディロ氏が病院のリハビリテーション部門を担当する理学療法士と話している。

横浜 — イゴール・ホロディロ選手は、二度と走ることはできないと告げられたが、ロシア軍の砲撃で負傷したウクライナの戦場から遠く離れた日本で、今はトレッドミルの上で走っている。

「奇跡でした」と57歳のホロディロさんは最近のジャパンニュースのインタビューで語った。「ウクライナでは、外傷専門医が『走ることは忘れてください。走らなくても生きていけます』と言っていました。」

ホロディロ氏は高齢にもかかわらず、軍医として勤務中に重傷を負った。負傷内容には左目の視神経損傷、肩、骨盤、膝の外傷などがある。

彼は4月に妻とともに来日し、横浜の病院で月曜から金曜まで1日1時間のリハビリテーションプログラムを受け、順調に回復している。同病院は医療法人社団TMG横浜未来ヘルスケアシステムが運営している。

同病院は、ロシアが2022年にウクライナ侵攻を開始して以降、医療支援のための寄付金を募ったり、健康診断の際の便利なフレーズを日本語、英語、ウクライナ語でまとめたガイドブックを作成したりと、ウクライナへの人道支援プロジェクトを立ち上げている。戦場で負傷したウクライナ人の受け入れも行っている。

ホロディロさんは同病院に受け入れられた2人目のウクライナ人だ。

2023年1月19日、当時ウクライナの戦争の激戦地だったドネツク州アヴディイウカ近郊で、ホロディロさんはロシア軍の戦車砲弾に車両が命中し、重度の脳震盪を起こした。襲撃当時ホロディロさんは車両の後ろにいて、ロシア軍が部隊の陣地を攻撃していたため、担架を取り、仲間を避難させるために車両に近づいていた。

「意識を失いました。気がつくと車から3メートル半も離れていました」と彼は回想する。「左足の感覚がまったくなかったので、失ったと思いました。」


イゴール・ホロディロ提供
ウクライナのドネツク州アヴディイウカ近郊で、ロシア軍の戦車砲弾が命中した車両が目撃された。襲撃当時、ホロディロ氏は車両の後ろにいた。

当初、ホロディロさんはアドレナリンのせいでひどい痛みは感じなかったが、後になって激しい痛みが襲ってきてトラウマになった。

「2分ごとに嘔吐しました。めまいやひどい頭痛も起こり、方向感覚も失われました」と彼は語った。「3か月ほどまともに動くことができませんでした。」

親ロシア派分離主義者がドンバス地方政府を掌握し、2014年にモスクワがクリミアを併合するまで、ホロディロ氏は軍事教育も経験もなかった。同氏は以前は農業企業の経営者だった。

しかし、この紛争により彼は国家警備隊に入隊することになった。2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻した際、彼は予備役であり、すぐに召集された。

深刻な兵士不足


日本ニュース
イゴール・コロディロさんは病院でのリハビリ中にトレッドミルで走っている。

戦争は終わりの見えないまま3年目に入り、ロシアの攻勢が続く中、死傷者数は明らかに日々増加しており、ウクライナは深刻な兵士不足に直面している。4月、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、徴兵年齢を27歳から25歳に引き下げ、徴兵忌避者に対する規制を強化する法案に署名した。一方、先月署名された別の法律では、一部の囚人が軍に入隊できるようになっている。

「膨大な数の負傷した兵士と民間人がリハビリを待っている。これは今ウクライナの本当の問題だ」とホロディロ氏は語った。

日本を含む他国からウクライナに対してどのような支援が必要かとの質問に対し、同氏は「あらゆる支援」と答えた。

「これは単にウクライナとロシアの間の戦争ではない。民主主義と独裁主義の間の戦争だ」と彼は語った。

「平和を達成する唯一の方法はロシアと戦うことだ」と彼はまた語った。「賢い男は悪魔と取引はできないことを理解している。悪魔と取引しないことが最善の方法だ。なぜなら悪魔がやって来たら合意はできないからだ。」

医療避難

東京のウクライナ大使館によると、大部分が戦争に志願し、ロシアの攻撃で負傷したウクライナ人約10人が、大使館などの団体によるさまざまな手配を通じて日本でリハビリを受けているか、受けているという。

病院側としては、こうしたウクライナ人患者の受け入れは、個々人にとって最善の選択肢を模索しながら行われているようだ。

「これまで戦争で負傷した人のリハビリテーションを扱ったことがなかったので、最初はこのような患者さんに対応できるのか不安でした」と横浜病院のリハビリテーション科の理学療法士は語る。

支援プロジェクトを通じて、病院スタッフもウクライナの状況が他人事ではないと感じるようになった。

プロジェクトを担当する医療関係者は「自らの命を犠牲にしてでも国を守ろうとする姿勢を見て、日本が同じ状況だったらどうするかを考える機会になった」と話す。

ホロディロ氏は7月中旬にウクライナへ出発する予定。帰国後は負傷兵のリハビリに協力したいと語り、リハビリは身体だけでなく、心と魂を癒すことでもあると語った。これまで訪れたことのない日本では、自然と調和しバランスの取れた日本庭園に魅了されたと語った。

「このような美しいものを見ることは私にとって癒しのプロセスの一部です」と彼は語った。

2人の娘と3人の孫がいるホロディロさんは、最終的な個人的な目標は故郷で家族と再び暮らすことだと語った。また、自宅に小さな日本庭園を作りたいとも付け加えた。



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