2024年5月25日 15時28分
ドバイ(ロイター) – イラン国営メディアが金曜日に報じたところによると、イラン軍の予備報告では、エブラヒム・ライシ大統領を殺害したヘリコプター墜落事故の捜査で、これまでのところ不正行為や攻撃の証拠は見つかっていないという。
最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師の後継者候補と目されていた強硬派のライシ氏は、日曜日、アゼルバイジャン国境付近の山中で悪天候によりヘリコプターが墜落し、死亡した。
軍参謀本部が発表した報告書は、「高高度に墜落して炎上したヘリコプターの残骸には、銃撃などの痕跡は確認されなかった」と述べている。
「管制塔と飛行乗務員との会話に不審な点は何も見られなかった」と付け加えた。
報告書によると、捜査が進むにつれてさらに詳しい情報が公表される予定だという。
ライシ氏は、ホセイン・アミラブドッラーヒアン外相ら6人も死亡した墜落事故から4日後の木曜日、イスラム教シーア派の聖地マシュハドに埋葬された。
専門家らは、イランの航空安全記録は悪く、墜落事故が度々発生しており、その多くは1979年のイスラム革命以前に購入された米国製の航空機によるものだと指摘している。
テヘラン政府は、米国の制裁により、老朽化した航空機群を更新するために西側諸国から新しい航空機やスペアパーツを購入することが長い間できなくなっていると述べている。
イランの最高検察官は今週、ヘリコプターが撃墜された可能性があるとの憶測が広がる中、ソーシャルメディア上での噂の拡散に警告したと国営メディアが報じた。
治安部隊は、ソーシャルメディアで4000万回も閲覧され話題となった「虚偽の」報告を投稿したとして容疑のある男性を拘束したと半国営のファルス通信が報じた。この投稿は、国営メディアが撮影したヘリコプターの写真の信憑性に疑問を投げかけた。
イランは、ハメネイ師の政策を実行し、国民の反対意見を弾圧し、2015年の核協定を復活させるための米国との協議を含む外交政策問題で強硬姿勢をとったライシ師を5日間服喪すると宣言した。
大統領選挙は6月28日に予定されている。