「ブルーピリオド」は、芸術界に進出しようと奮闘する若者たちを描いた、この夏私がレビューした3本目の映画です。何かあるのでしょうか？
公平に言えば、『ブルーピリオド』がある意味で先に公開された。この実写映画は、2017年にデビューした山口つばさによる同名の連載漫画が原作だ（2021年には善意によるものの古臭いアニメシリーズにもなった）。物語は、すべてを持っているように見える矢口八虎（ゴードン・マエダ）という高校生を追う。人気者で学業の天才である彼は、希望するトップクラスの公立大学への入学試験を受ける準備ができている。心配そうな母親（石田ひかり）が私に何度も思い出させているように、彼の家族は私立大学に進学する余裕がない。しかし、渋谷で仲間とパーティーをしているときも、数学の授業を楽々とこなしているときも、八虎はただ形だけやっているという感覚を拭い去ることができなかったが、学校の美術部のメンバーとの偶然の出会いが、彼が今まで知らなかった興味に火をつけることになる。八虎は起きている時間すべてをアート制作に捧げ始め、大学でアートを学ぶことにも決める。問題は、日本には公立の芸術系大学が東京芸術大学しかなく、その合格率はエリート校である東京大学よりも低いということだ。ほとんどの芸術系の学生は、入学試験の準備に何年もかかる。八虎は1年以内に合格できるだろうか?
山口（東京芸術大学卒業生）によるこの漫画は、そのリアルさゆえに大ヒットとなり、発行部数が700万部を超えていることから、実写映画化は必然だった。しかし、この物語はこれまで2度語られてきた。もちろん原作漫画と、映画と同じ部分を扱ったテレビアニメだ。アニメと映画は脚本家も同じ吉田玲子で、セリフの多くは3つのバージョンで逐語的に使われている。
