黒沢清は日本国外では主にホラー映画の巨匠として知られているが、彼はずっと以前にこのジャンルの狭い枠を飛び越えた。例えば、2001年の傑作「パルス」では、オンライン世界に閉じ込められた幽霊が生きている人間の魂を吸い取る力を行使し、人類の存在そのものを脅かす。これは復讐心に燃える女性幽霊というJホラーの標準から逸脱している。
「パルス」は、インターネットについてこれまでに作られた映画の中で最も先見の明のある作品の一つであり、今回「クラウド」がそれに加わった。「クラウド」とは、家族写真の保存から不注意な者から金を巻き上げることまで、現代生活のあらゆる分野に浸透しているデジタルクラウドを指すタイトルである。
後者は、映画の主人公である吉井良介(菅田将暉)の仕事であり、彼はドライクリーニング工場での仕事を辞め、偽ブランドのハンドバッグを本物のように売りさばくなど、オンラインで商品を転売する副業に専念している。