厚木基地の騒音問題で日本政府に賠償命令
日本の裁判所は水曜日、過度の騒音を理由に東京近郊の厚木空軍基地周辺の住民に損害賠償を支払うよう政府に命じたが、自衛隊と米軍の飛行停止を求める政府の要求は却下した。
横浜地方裁判所は、過去の騒乱に対して国に約59億円(3,800万ドル)の支払いを命じたが、将来の騒音公害に対する原告の賠償請求は棄却した。
2017年に起こされた訴訟では、約8,700人の原告団が国に対し、同基地の夜間・早朝飛行の停止と、過去および将来の騒音による健康被害への賠償として総額131億円の支払いを求めた。
2024年11月18日、神奈川県にある自衛隊と米軍が共同運営する厚木基地を共同通信のヘリコプターから撮影した写真。(共同通信)
人口密集地である神奈川県の大和市と綾瀬市にまたがる同基地は、自衛隊と米軍が共用している。
しかし、岡田信弘裁判長は、自衛隊の飛行停止を却下する判決を下すにあたって、自衛隊の飛行が「極めて公共性の高い」性質のものであることを認めた。
この判決は、米軍再編の一環として、騒音を発生させることで知られる米空母艦載機の厚木基地から岩国の別の米軍基地への移駐が2018年3月に完了して以来、初めての判決となった。
1970年代以来の基地の騒音公害を巡る裁判の5回目となるこの裁判で、政府は移転後に騒音レベルが大幅に減少したと主張した。
裁判官は騒音公害の緩和などを考慮すると、自衛隊の飛行が「社会通念に照らして著しく妥当性を欠いているとは言えない」と述べた。
米軍機については、日本政府には運航を制限する権限はないと裁判所は述べた。
裁判では、大和市や綾瀬市など近隣8市に住む原告らは、米軍戦闘機や輸送機オスプレイが今も基地に到着するため、騒音公害が続いていると主張していた。
4度目の訴訟では地裁と高裁が自衛隊の飛行差し止めを命じた。しかし、最高裁判所は判決を覆し、州に対し過去の騒乱に対する賠償金の支払いを命じた。
国に賠償を命じた過去の判決の一部が確定し、日本政府は日米地位協定に基づき米国に負担を求めた。
しかし日本政府によると、米国政府は2月の時点で何も支払いを行っていない。
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